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一般社団法人長野県サッカー協会

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2023 第6回長野県レフェリーアカデミー 開催報告

2023 第6回長野県レフェリーアカデミー 開催報告

2023年10月19日(木)第6回レフェリーアカデミー(=RAC)がリモート形式で開催されました。
今回の講師は、伴 勇さんです。テーマは「アドバンテージ」です。

1.「アドバンテージ」とは?(定義を競技規則から確認)

アドバンテージを適用した時の「懲戒処置」について

決定的得点機会を阻止した場面と、大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止した場面でアドバンテージを適用した場合、懲戒罰の処置が一段階下がります。
講義では、大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止した場面になり得る映像を見ながらディスカッションしました。

2. ADVを適用するときの考慮事項について

試合の雰囲気、選手の気持ち(プレーを続けたい)なども考慮しながらアドバンテージを適用するか判断することが重要です。

  • アドバンテージを適用できそうなシーンであっても、「著しく不正なファウル(※退場)」が起きたときには、直後に明らかな得点の機会がない限りプレーを止め、反則をした選手を退場させなければなりません。
  • 「ラフプレー(※警告)」となる反則が起きアドバンテージを適用した際も、懲戒罰の処置が一段階下がらず警告の処置が必要です。

試合で間違いが起きやすい場面です。正しく処置を行えるよう理解をしっかりと深めましょう。

3. アドバンテージの経験はありますか…??

受講生の皆さんに、これまでアドバンテージを適用したことがあるか、もし適用した経験が無い場合は適用すれば良かったと思ったシーンなどについて発表してもらいました。

受講生の皆さんより
  • コーナーキックの直後にカウンターがあり、反則が起きたがすぐに吹いてしまいカウンターを止めてしまった。

(問)どうすれば良かったでしょうか?
⇒(答) 笛を吹くのを少し遅らせて、周りの状況をしっかりと確認する意識を持つ。

  • アドバンテージの流れで得点が決まったときは適用して良かったと思った。アドバンテージを考えていて笛を吹くタイミングが遅くなると、選手に言われてから吹いた感じになってしまい難しいと感じたときもあった。
  • 適用したシーンは、攻撃のチャンスで選手が続ける意識があった。攻撃側の自陣深い位置ではアドバンテージを適用せず、笛を吹いたほうが良かったと思ったシーンもあった。
  • 大きなチャンスになるシーンで適用できずファウルとしてプレーを止めてしまった。ワンテンポ遅らせる意識が必要だった。
  • ファウルが起きた位置がゴールまで距離があり、適用しなくてもよかったと思ったシーンがあった。
  • コーナーキックからのカウンターで守備側競技者が反則を犯したが、ボールがそのまま流れた。そのボールを攻撃側選手がプレーできる状況だったがプレーを止めてしまった。競技者やボールの位置を確認する必要があった。
  • 大きなチャンスの状況ではなく、ボールがただ繋がっただけでアドバンテージを適用した経験がある。チームが利益を得られるのかを考えて、より効果的なアドバンテージができればと思った。
講師から伝えたいこと
  • アドバンテージは失敗も成功もある。積極的に適用して、たくさん失敗しながら経験を増やしてほしい。
  • 他の審判員の映像や経験談から学べる部分がたくさんあるので、ぜひ参考にしてほしい。

4. 映像ディスカッション

アドバンテージを適用するべきであったか、効果的だったかなどをディスカッションし、以下のような見解や意見がありました。

映像の状況

⇒ハーフウェーライン付近で反則が起きた。プレーは続けられ、守備側チームの自陣の方向にボールが戻り、直後にロングパスが前方へ蹴られたが、繋がらず相手チームのゴールキックとなった。

受講生の皆さんの見解意見
  • ロングパスでボールが裏に渡ることを期待したが、結果的に繋がらなかった。
  • 攻撃側選手の足が速いなど、チームの特徴が分かっていたらアドバンテージも適用できるのでは。
  • FKで再開すると守備側チームの体制が整ってしまうのでアドバンテージで良いのでは。
  • ディフェンスラインが整っていないときに前につながれば利益を得られる。
  • ファウルが起きた位置がゴールまで距離があり、パスも後ろに下がった。その段階でアドバンテージは適用しないほうが良いと判断する。
  • 周りにフリーの選手がいて、前を向いている状況なのでアドバンテージで良いのでは。

5. 受講生の感想より

  • アドバンテージは難しいです。 試合は審判の練習の場ではないと分かっているのですが、アドバンテージに関しては結果論となってしまうので本当に気を使ってしまいます。 今日の講義で少し気持ちが楽になり週末からチャレンジ出来るかと思います。
  • 今まではワンテンポ置くことなく、すぐにファウルをとってしまいましたが、これからwait and seeを意識したいと思いました。
  • 色々な考慮事項を判断しつつも、失敗を恐れずに沢山チャレンジしたい。
  • アドバンテージは曖昧な要素が多く判断が難しいことを改めて認識しました。4項目に加え、試合の状況、チームの力量等も考慮して判定していきたいと思います。
  • アドバンテージ適用した経験が浅いためとてもわかりやすく、自分が主審をした時に自分でもっと自信を持ってアドバンテージを適用していこうと思いました。
  • 何を持って利益とするのかをしっかりと持って、なんとなく攻撃が続いてるからという曖昧なアドバンテージを明確なアドバンテージに変えていきたい。
  • レフェリングの中でいちばん難しいアドバンテージですが、今回の講義で改めて整理出来たので、失敗を恐れずにチャレンジしていきたいと思います。
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